志田菊宏

志田菊宏(しだきくひろ:1959~)

系統:蔵王高湯系, 鳴子系

師匠:志田菊麻呂/高崎祐一

弟子:志田楓

〔人物〕  昭和34年1月30日、山形県西村山郡西川町大字大井沢の会社員志田八郎の長男として生まれた。 昭和52年に寒河江工業高等学校電気科を卒業後、河北町谷地で音響関係の会社に勤めた〈山形のこけし〉。
学生時代から祖父・志田菊麻呂の足踏ロクロで木地を挽いていた、昭和54年には自宅に動力ロクロ二台が設置されたが、このときはまだそれを十分挽きこなすことができなかった〈山形のこけし〉。
昭和55年1月より米沢の高崎栄一郎方で高崎祐一について木地修業、昭和60年1月よりこけしを製作している。現在は、大井沢湯殿山神社の宮司や朝日連峰自然公園の管理員の仕事をする傍らこけし製作を続けている。
平成31年3月に長女の志田楓は、石川県挽物轆轤技術研修所を卒業し、同年4月より菊宏の指導を受けている。

〔作品〕  〈山形のこけし〉に紹介された時点では修業中で、こけしの掲載はない。 〈東北のこけし〉88ページに平成8年作の菊麻呂型と五郎八型が掲載されている。 〈こけし時代・第9号〉山形特集に近影および平成26年の作品が掲載されている。
志田五郎八、菊麻呂、栄の型を復元し、菊麻呂を継承した福助や福禄寿などの木地玩具も製作する。
また、近年では、「きのこなこけし」、「帽子なこけし」と称される愛らしい木地人形でも女性ファンを中心に人気を集めている。

〈伊勢こけし会だより・117号〉頒布
〔21.2cm(平成17年)(〈伊勢こけし会だより・117号〉頒布〕 菊麻呂型

〔18.0cm(平成24年・山藤)〕五郎八型
〔18.0cm(平成24年)(山藤輝之)〕 五郎八型

志田菊宏・五郎八型
〔18.0cm(平成24年)(山藤輝之)〕 五郎八型アーモンドアイ

庄内で作られて廃絶した作者のこけしを、大阪こけし教室の依頼により復元製作した。


〔右より 12.2cm(令和元年9月)大滝武寛型、17.4cm(令和元年9月)竹野銀次郎型、18.6cm(平成30年9月)岡村豊太郎型、18.7cm(平成30年7月)白畑重治型(橋本正明)〕大阪こけし教室例会頒布

〔伝統〕  五郎八・栄型は鳴子系、菊麻呂型は蔵王高湯系の影響が強い。
また、菊宏自身は高崎祐一に木地を習っているためか山形系としても紹介されるが、これは木地の系統で、こけし自体に山形系の特徴はない。こけしの分類ではその型によって鳴子系もしくは蔵王高湯系、雑系とすべきであろう。

〔参考〕

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