大野定良

大野定良(おおのさだよし:1931~1986)

系統:弥治郎系

師匠:大野栄治

弟子:

〔人物〕昭和6年4月13日、北海道川上郡弟子屈町川湯温泉のこけし工人大野栄治、はつの長男として生まれた。父栄治より正式には習っていないが、高等小学校を卒業したころより見取りで木地を試作するようになった。昭和28年6月23歳のとき栄治のこけしを手本としてこけしを作り、東京へ数本送ったが、栄治こけしとかなり異なると批評されたため、その後は全くこけしを作らず、熊の彫刻、ブローチなどの木工類を製作して販売していた。
昭和61年10月31日没、行年56歳。


右:大野栄治 左:大野定良 撮影:森田丈三

〔作品〕昭和28年製作のものが数本残っているだけで、作品数は少ない。昭和28年当時の大野栄治の作風を忠実に継承し、しかもあどけない表情で初々しい。初心の華とも言うべき魅力あるこけしであった。心無い批評によって一人の前途有望な工人を失うことになったのは極めて惜しい。


〔18.4cm(昭和28年)(石井政喜)〕 

〔伝統〕弥治郎系嘉吉系列

〔参考〕

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