鎌田うめ子

鎌田うめ子(かまたうめこ:1928~2019)

系統:弥治郎系

師匠:鎌田孝市

弟子:

〔人物〕 昭和3年1月15日、白石市小下倉の農業大庭太平の長女に生まれた。戸籍名はうめ。白石のこけし工人鎌田孝市と結婚した。昭和25年に長女悦子、昭和28年に長男孝志が生まれた。結婚してから時間があるとロクロにあがって新型の蝋引きをしたり、新型こけしの一部を挽いたりして家業を手伝った。昭和42年頃から、伝統のこけしにも興味が出て、夫孝市のこけしを手本に玉子に顔を描いたり、失敗した木地に描いたりして練習するようになった。慣れてきてから孝市の木地に描彩をするようになり、昭和44年3月ころから自分の作としてこけしを世に出すようになった。昭和46年孝市が名古屋に実演に行って留守の間に、ロクロに上って初めて伝統のこけし木地を自分で挽いてみた。以後、木地描彩ともにうめ子の手になるこけしが世に出るようになった。こけしには「うめ子」と署名する。
令和元年10月28日没、行年92歳(数え年)

鎌田うめ子

鎌田うめ子

 〔作品〕 孝市が鎌田文市の古作の研究を始めて、小寸作りつけの佳作を多く作る様になったころに製作を始めたので、うめ子の作品も製作当初から古風さがあり、きっちりとした明眸な表情の完成されたこけしであった。
下掲右端は昭和44年秋に東京のこけし店いづみで売られたもので初期の作である。木地は孝市。
左端2本は自挽木地になってからの作。いずれもいかにもおもちゃらしい愛すべきこけしであった。

〔右より 15.5cm(昭和44年)、15.5cm、15.3cm(昭和46年)(橋本正明)〕
〔右より 15.5cm(昭和44年)木地は孝市、ろくろ線描彩 うめ子、15.5cm、15.3cm(昭和46年12月)自挽き(橋本正明)〕


〔 30.3cm(平成10年)(高井佐寿)〕

系統〕 弥治郎系栄治系列

〔参考〕

  • 土橋慶三:女性工人抬頭〈こけし手帖・148〉(昭和48年7月)
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